📌 この記事でわかること:
- Oracle Cloudを使ったATP(Autonomous Transaction Processing)データベースの作成手順
- 無料枠(Always Free)での設定ポイントと注意点
- Python接続に必要なWalletファイルの取得方法と前提知識
👤 対象となる読者:
- Oracle Cloudでデータベースを使い始めたい初学者
- ATPとADWの違いがまだ曖昧な人
- PythonでOracleに接続してデータ操作をしてみたい人
🔧 活用できるシーン:
- Oracle Cloudの無料プランで環境構築を始めたいとき
- Pythonからの接続準備として、ATPの初期設定を確認したいとき
- 今後の分析や業務自動化に向けた基礎構築を進めたいとき
1. はじめに
前回の記事では、Oracle Cloud Free Tier を利用してクラウド環境をセットアップしました。
➡ 前回の記事はこちら
今回は、OracleのAutonomous Database(ATP) 作成方法を解説していきます。
また、将来的にはPythonを使ってデータを操作していきたいと思います。
2. Oracle CloudでATPを作成する
2.1. コンソールにアクセス
Oracle Cloudにログインし、コンソール にアクセス。
Oracle Cloudにログインすると、以下のようなコンソール画面が表示されます。
ここで、右側の「Build」メニューから 「Create an ATP database」 をクリックして、データベース作成を進めます。

💡 リージョンの確認について
画面右上にあるリージョン名(例:「Japan East (Tokyo)」)を確認しましょう。
もし、希望するリージョンではない場合は、クリックして変更できます。
詳しい変更方法は こちらの記事 で解説しています。
2.2. Create an ATP databaseを選択
「Create an ATP database」 をクリックし、データベース作成画面へ進みます。

理由
- ATP(Autonomous Transaction Processing) → 一般的なアプリ開発向け(今回はこれを選択)
- ADW(Autonomous Data Warehouse) → データ分析向け
2.3. CPUコア数やストレージ容量を設定
データベースの詳細設定を行います。

① Display Name & Database Nameについて
- 初期値はランダムな文字列となっています。
- 使いやすい名前(例:「TestDb」「MyAtpDb」)に変更してもOK。
- 個人環境のため、変更しなくても問題ありません。
② Compartmentについて
- 初期値のままでも問題ございません。
③ ワークロードタイプの選択
- 「Transaction Processing」を選択(通常のデータ操作に適している)。
④ 無料枠での利用設定
- 「Always Free」をオンにする。
- OCPU数(1) と ストレージ(20GB) は自動設定される(手動変更は不要)。
⑤ Database Version(データベースバージョン)の選択
- 安定性を求める場合 → 「19c」を推奨。
- 最新技術を試したい場合 → 「23ai」(ただし一部機能が試験的な可能性あり)。
⑥ 管理者アカウントの設定
- ユーザー名 は「ADMIN」(デフォルト)
- パスワード は英数字・記号を含む強力なものを設定する。
⑦ ネットワーク設定
- 「Secure access from everywhere」を選択し、どこからでも接続可能にする。
⑧ mTLS(相互TLS認証)の設定
- 「Require mutual TLS (mTLS) authentication」のオプションは、データベース接続時のセキュリティを強化する設定。
- Oracle Cloud の Always Free プランでは mTLS 認証が必須 で、通常のユーザー名・パスワードだけでは接続できません。
- Python で接続する場合、Wallet ファイルをダウンロード し、oracledb パッケージを使用する必要があります。
2.4. データベースの作成
「Create」 をクリックし、作成が完了するのを待つ。
3. データベース接続情報の取得

- 作成したATPの詳細画面を開き、「ウォレットのダウンロード」をクリック。
- Autonomous Database の管理画面で 「Database Connection」 タブを選択
- 無料枠で1つのデータベースしか使わないため「 Instance wallet」を選択
- 「Download Client Credentials (Wallet)」ボタンをクリック
- ダウンロード時にパスワードを設定(後で接続時に必要になるのでメモしておく)
- ダウンロードしたZIPファイルを適切なディレクトリに保存。
- 解凍して
tnsnames.ora
やsqlnet.ora
の場所を確認。


4. まとめ & 次のステップ
この記事では、Oracle Autonomous Database(ATP)の作成までの流れ を解説しました。
次の記事では、Python環境の準備 と Thinモード / Thickモード の違いを解説 し、接続テストを行います!
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