📌 この記事でわかること:
- 2024年後半から2025年初頭にかけてのNVIDIA株価の動きと背景
- 株価下落を引き起こした決算・地政学リスク・競合要因の詳細分析
- AI市場の変化がハードウェア企業に与える影響の考察
👤 対象となる読者:
- NVIDIA株やAI関連銘柄に投資している、または興味がある方
- 株価の急落要因をニュースではなくデータと背景から理解したい方
- 今後の投資判断のために、過去の相場動向を分析したい投資家
🔧 活用できるシーン:
- AI関連株のバブルや調整局面を冷静に見極めたいとき
- 決算発表や地政学リスクが株価に与える影響を予測したいとき
- NVIDIAをはじめとするハイテク株へのエントリーポイントを探したいとき
1. はじめに
NVIDIAは長年にわたり半導体業界をリードしてきた。
特にAIブームの追い風を受けて株価は急成長しました。
しかし、2025年初頭の決算発表後に株価が急落し、市場に大きな影響を与えました。
本記事は前後編に分かれています。
後編では、NVIDIAの今後の展望と投資判断について詳しく解説します。
▶ 後編はこちら
2. NVIDIAの成功と成長要因
2.1. AIブームと半導体需要の拡大
AI技術の発展により、NVIDIAのGPUは不可欠な存在となりました。
特に、データセンター向けのH100などの高性能GPUが各国のテック企業やクラウドサービスプロバイダーに採用され売上を大きく押し上げました。
ゲーム市場でもRTXシリーズの人気が続き、安定した収益源を確保していました。
2.2. 2024年の株価推移とピーク
2024年度、NVIDIAの株価は大幅な成長を遂げました。
特にAIブームがピークを迎えた年末には過去最高値を更新しました。
この背景には、以下の要因が挙げられます。
- 生成AIの発展: ChatGPTをはじめとするAI技術が急成長し。AI計算能力の需要が拡大。
- 企業の設備投資増加: マイクロソフトやGoogleがAI開発に巨額投資。NVIDIAのGPU需要が拡大。
- 株式市場の楽観ムード: AI分野の拡大により、ハイテク株全般が強気相場に。
しかし、この時点で投資家の期待値は非常に高くなっており、わずかなネガティブ要因でも株価が急落するリスクを孕んでいました。
3. NVIDIAの株価下落の要因
3.1. 直近9か月の株価推移(2024年6月~2025年3月)

2024年6月から2025年3月までのNVIDIAの株価推移をyfinanceを使って分析。
すると、以下のような特徴が見られます。
- 2024年7月後半~12月: 生成AIのブームにより、NVIDIAの株価は上昇基調を維持。一時9月に調整が入るも、その後回復。
- 2025年1月: AI市場の過熱感が指摘され、一部のアナリストが警戒を強める。1月初旬は高値圏だったが、次第に売り圧力が強まる。
- 2025年2月(決算発表): 予想を下回る売上見通しが発表。結果、市場の失望売りが発生。株価は大幅に下落し、ボラティリティが高まる。
3.2. 下落要因の詳細
📉NVIDIA株価とVIX・TNXの推移(グラフ)

「NVIDIAの株価は2024年後半に急騰したが、2025年2月の決算発表を境に急落。
この下落の背景には、以下の3つの要因がある。」
① 決算の内容が市場予想を超えなかった
NVIDIAは2025年2月に四半期決算を発表。
売上は堅調だったものの、市場予想をわずかに下回りました。
投資家の失望 → 株価の急落
- 売上成長率が鈍化: これまでの急成長に対し、今後の成長ペースが鈍化する可能性が示唆された。
- 受注の減速: AI向けGPUの需要が一定のピークに達しつつある兆候。
- 利益確定売りの発生: 高値圏で利益を確定する投資家が増加。一気に売り圧力が増した。
② 米中摩擦によるリスク
規制が強化されることでGPUの売上が落ち込む可能性
近年、NVIDIAの成長を支えていたのは中国市場からのGPU需要。
しかし、米国政府の規制強化により、ハイエンドGPUの輸出が制限。
- 規制対象の拡大: H100などの最先端GPUが規制対象となる。中国市場での販売が難しくなる。
- 中国企業の独自開発: 中国国内でNVIDIA製品に依存しない技術開発が進められている。
- サプライチェーンへの影響: NVIDIAの供給網が変化。新たな戦略が必要になる可能性。
③ AI市場の競争激化
2025年に入り、NVIDIAにとって新たな脅威が登場。中国のDeepSeekが発表したAIモデル「R1」は、オープンソース化されており、企業が自由に利用可能。
NVIDIAにとっての脅威
- NVIDIAのGPUが不要になる可能性: DeepSeekのAIはNVIDIAのハードウェアを必須とせず、高コストなGPUの需要減少を招く。
- オープンソース化の影響: AI市場の民主化が進み、特定のベンダーに依存しない環境が広がる。
- 投資家の期待がシフト: AI関連株の中でも、ハードウェアよりソフトウェア企業に注目が移る可能性。
結果 → 株価下落
「AI関連市場は成長するが、その恩恵をNVIDIAが受けられるとは限らない」という懸念が広がった。
こうした競争環境の変化が、NVIDIA 株価 下落 要因の一つとなっていることは間違いない。
参考情報:
次回の【後編】では、NVIDIAの株価とVIX指数の関係、今後の展望、投資判断について詳しく解説します!
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