📌 この記事でわかること:
- 量子コンピュータに注目が集まる理由とその最新動向
- JETROや各国政府の取り組みから読み解く国策視点
- 具体的な投資対象(個別銘柄・ETF・インフラ企業・防衛関連)の整理
👤 対象となる読者:
- 量子コンピュータ投資に興味はあるが、まだ一歩踏み出せていない人
- 国策や安全保障と絡むテーマ投資を探している中・長期投資家
- IONQやRGTIなどのテーマ株だけでなく、ETFやインフラ株も検討中の方
🔧 活用できるシーン:
- テーマ株としての量子分野にどう乗るか検討したいとき
- ETFや半導体関連、軍需株まで広く「量子を軸にした分散投資」戦略を考えるとき
- 株価比較グラフや各社の注目ポイントをざっくり把握したいとき
1. 量子コンピュータが注目される理由とは?
近年、「量子コンピュータ」という言葉を耳にする機会が増えています。特に数か月前、JETRO(日本貿易振興機構)が量子コンピュータ関連品目を輸出管理の対象に追加したというニュースは、技術がすでに“実用レベル”に近づいている証拠とも受け取れます。
この背景をふまえ、「量子コンピュータ」分野への投資をどう考えるか、わかりやすく整理してみましょう。
2. そもそも量子コンピュータとは?
量子コンピュータは、従来のコンピュータ(クラシックコンピュータ)とは根本的に異なる仕組みで動きます。
- 0か1だけでなく、「0と1の両方」を同時に扱えるキュービット(量子ビット)を使用
- 一度に多数の計算処理が可能で、特定の問題においては圧倒的な処理速度を発揮
例えるなら、「従来のコンピュータが迷路を1つずつ進むのに対し、量子コンピュータは複数のルートを同時に探索できる」といったイメージです。
3. 量子コンピュータで何が変わる?活用が期待される分野
量子コンピュータの実用化が進めば、以下のようなインパクトが予想されます。
- 新薬開発の加速:複雑な分子構造の解析が一気に進み、難病治療の可能性も
- 金融業界での活用:株価予測やリスク管理の高度化
- 暗号技術への影響:現在のセキュリティ技術(RSAなど)が破られる可能性も
このように、「技術革新」だけでなく、「安全保障や経済」にも直結する分野なのです。
4. 注目の量子コンピュータ関連銘柄
現在、量子コンピュータ分野で主導権を握っている企業・ETFなどがあります。
✅ 直接開発企業(米国株中心)
- IonQ(IONQ):商用クラウドでの量子コンピューティングを提供
- Rigetti(RGTI):スケーラブルな量子アーキテクチャを開発
- D-Wave:カナダの量子計算専業企業
現在、量子コンピュータ分野で主導権を握っている企業・ETFなどがあります。
特に注目されているのが、米国のIonQ(IONQ)とRigetti(RGTI)。実際に株価の推移を比較すると、投資スタイルに応じて選ぶべき銘柄が変わってきます。
▼ IONQとRGTIの株価比較(2020〜2024年)

キャプション例:
IONQとRGTIの株価推移(2020〜2024年)。IONQは高ボラティリティながらも2024年にかけて大きく成長。一方でRGTIは安定的な推移を見せつつ、直近で上昇傾向に。
🔍 グラフから読み取れるポイント
- IONQは2024年後半にかけて大きく上昇し、投資家からの注目度の高さがうかがえる
- RGTIは長期間低迷していたが、2024年末にようやく上昇トレンド入り
- 両社ともに業界再評価のタイミングでパフォーマンスが上がっていることから、「今が仕込み時」と考える投資家も増えている
Rigettiについて、さらに詳しく知りたい方は、
👉 量子コンピュータの衝撃:Rigettiの技術力
👉 量子株投資なら?Rigetti(RGTI)の成長性をチェック
をチェックしてみてください。
✅ 関連ETF
- Defiance Quantum ETF(QTUM):量子&次世代コンピューティング関連企業に分散投資
ETFという選択肢も:分散投資で量子分野に乗る
個別企業の動きが激しい中で、安定的に量子コンピュータ分野に投資したいなら、ETFの活用がおすすめです。
代表的なのが「Defiance Quantum ETF(QTUM)」。下のグラフを見ると、2020年以降、右肩上がりの成長が続いています。
▼ QTUMの株価比較(2020〜2024年)

QTUMは、量子計算だけでなく、AI・先端半導体など幅広い次世代技術企業を含んでいるため、テーマ投資としての魅力と分散性を両立しています。
5. 間接投資なら半導体企業も狙い目
量子コンピュータは、ソフトウェアだけでは動きません。極めて精密な半導体製造技術があってこそ実現できるものです。
そこで注目されるのが、以下のような企業たちです。
- ASML:量子チップの製造にも必要な極端紫外線(EUV)露光装置で独占的地位
- NVIDIA:量子計算のシミュレーションや研究用途で活用されるGPUを提供
- TSMC:世界最大のファウンドリ。量子向けの製造インフラを担う存在
以下のグラフは、それぞれの株価推移を示しています。
▼ASML・NVIDIA・TSMCの株価比較(2020〜2024年)

キャプション例:
ASML・NVIDIA・TSMCの株価推移(2020〜2024年)。各社は量子技術を支える半導体インフラとして注目されており、特にASMLとNVIDIAの成長が際立つ。
💡 投資判断としてのまとめ
- 個別株に不安があるなら、まずはインフラ企業に注目するのも一手
- 量子+AIという“ダブルテーマ”で考えると、NVIDIAの汎用性は非常に高い
- 半導体業界全体の成長を狙いたいなら、ETF(SOXX、SMH)経由の投資も視野に
6. 国防・軍事技術としての量子コンピュータ
量子コンピュータは、未来の安全保障にも直結する可能性を秘めた技術です。
国家間の情報戦・サイバー戦が激化するなかで、量子通信や量子センサーの軍事応用が本格化しています。
- LMT(Lockheed Martin):量子通信・量子センサーなど先端軍事技術の開発に取り組む米国最大の防衛企業
- NOC(Northrop Grumman):DARPAとの共同研究で量子情報技術を活用、サイバー・宇宙分野にも注力
- ITA(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF):LMT・NOCなど主要な軍需企業を幅広くカバーする国防系ETF
実際に、米国では国防総省が支援するプロジェクトに、Lockheed Martin(LMT)やNorthrop Grumman(NOC)といった大手防衛企業が参加。
また、iSharesの国防関連ETF「ITA」を通じて、軍事テクノロジー全体に分散投資することも可能です。
📊 LMT・NOC・ITAの株価推移(2020〜2024)

キャプション例:
Lockheed Martin(LMT)、Northrop Grumman(NOC)、および国防ETF「ITA」の株価推移(2020〜2024)。個別銘柄はボラティリティが高いが、全体としては堅調な成長を維持している。
🔍 グラフから読み取れるポイント
- LMTとNOCは2022年以降に大きく成長し、軍需の安定的な需要を背景に高値圏で推移
- ITAは比較的穏やかに右肩上がりを続けており、分散投資の効果が見られる
- 両社とも量子技術の応用(センサー、暗号通信)で研究開発を強化中
🧠 分析まとめ:量子コンピュータのような次世代技術は、民間よりも先に軍事技術として実用化されるケースが多いため、こうした国防関連銘柄・ETFに注目するのは極めて合理的です。
7. まとめ:量子コンピュータ投資は“未来の覇権”への一手
量子コンピュータは、SFの世界から現実へと着実に近づいています。
JETROの輸出管理強化は、その証拠の一つ。
まだ不確実性はありますが、
- 分野ごとに分散投資
- 半導体やインフラにも目を向ける
- 国策や世界情勢をヒントにする
未来を見据えた投資の一つとして、量子コンピュータは十分に魅力的です。ただし、期待が高い分リスクもある分野。しっかり情報を集めて、納得したうえで投資判断をするようにしましょう。
🔗 関連テーマとしてこちらもおすすめ
量子コンピュータを活用したクラウド事業に関心がある方は、富士通の取り組みについてもぜひご覧ください。
👉 量子クラウド×OSS:富士通が切り開く未来と投資のヒント
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 👉 量子コンピュータはもう現実?JETROの動きから見る注目の投資先とはでは、政府機関の動向や投資先としての広がりに注目して詳しくまとめています。 […]
[…] JETROと量子コンピュータに関する考察記事 […]