📌 この記事でわかること:
- Rigetti(RGTI)の企業概要と量子コンピュータ分野での立ち位置
- 株価の推移と注目された背景(DARPAやNASAとの連携)
- IonQなど他の量子銘柄との比較と投資戦略のポイント
👤 対象となる読者:
- 量子コンピュータ関連株への投資に興味がある人
- Rigettiという企業の成長性やリスクを知りたい人
- ハイテクテーマ株で中長期の成長を狙いたい人
🔧 活用できるシーン:
- 次の成長株候補として、出遅れ銘柄を探しているとき
- 米国小型株(テック系)のチャート・業績分析をしたいとき
- 量子技術の商用化・国防分野との関連を深掘りしたいとき
① はじめに:なぜ今、Rigettiが注目されているのか?
2024年末、米国の量子コンピュータ企業「Rigetti Computing(ティッカー:RGTI)」が突如として株価急騰。
その背景には、DARPA(米国国防高等研究計画局)との共同研究プロジェクト進展や、量子コンピュータ業界全体の盛り上がりがあります。
IonQなどの先行銘柄に続く“出遅れ本命”として、いま投資家の注目を集めている存在です。
② 企業概要:Rigettiとはどんな会社か?
- 設立:2013年
- 本社:米カリフォルニア州バークレー
- 創業者:Chad Rigetti(元IBMの量子研究者)
- 事業内容:量子コンピュータの開発とクラウド提供(Quantum Cloud Services)
- 技術基盤:超電導量子ビット方式(Superconducting Qubits)
Rigettiは商用量子コンピュータの開発をリードするスタートアップの1つで、政府系機関(DARPAなど)とも連携実績があり、国防用途での注目も高まっています。
また、超電導量子ビットを用いたQPU(量子処理ユニット)や、カスタムチップの設計・製造までを自社の製造施設「Fab-1」で行っているのも特徴です。
🔗 企業概要ページ:リゲッティ・コンピューティング|Yahoo!ファイナンス
🌐 公式サイト:Rigetti Computing Official Website
✅ 企業の特徴まとめ
- 量子クラウド×独自QPU技術の垂直統合モデル
- サービスとしての量子コンピューティング(QCaaS)を提供
- DARPAやNASAなどの政府系機関とも共同研究実績あり
- 小規模ながら量子ハードウェアからクラウド運用までを一貫提供できる数少ない企業
Rigettiの技術基盤である超電導量子ビットや、量子クラウドの構造については、別記事でも紹介しています👇
🔗 量子コンピュータの衝撃:Rigettiの技術力
③ 株価の推移とチャート分析(2020〜2024年)
Rigettiの株価は、まさに「未来テーマ株の宿命」ともいえる浮き沈みを経験してきました。
上場から現在までのチャートを見ると、明確な3つのフェーズに分けられます。
📊 RGTI株価チャート(ローソク足+出来高)

Rigettiの株価は、まさに「未来テーマ株」の浮き沈みを体現した動きを見せています。
🔍 株価の変遷ポイント
▶ 2022年:SPAC合併による上場
Rigettiは2022年3月、SPAC合併によりNASDAQ市場に上場。上場直後は投資家の期待が高まり、Rigettiの株価は5〜7ドル台で推移していました。しかし、黒字化の見通しが立たない中で失望売りが続き、Rigettiの株価は下落トレンドに。
▶ 2023年:低空飛行と市場の冷え込み
2023年は、量子コンピュータ業界全体に対する期待が一時的に後退した年でした。Rigettiの株価も1ドル前後のレンジで停滞し、投資家の関心も薄れていきました。
▶ 2024年末〜2025年初:再評価の兆し
2024年後半から状況が一変します。NASAとの契約延長や、DARPAとのフェーズ2共同研究進出が報じられたことで、技術力に再び注目が集まりました。このタイミングでRigettiの株価は反転し、一時は5ドルを超える急騰を記録。
🧠 投資家視点でのポイント
このような動きは、典型的な「期待 → 失望 → 再評価」パターン。特に、米政府との連携報道が株価に大きく影響しているのが特徴です。
今後は、こうした期待が短期の思惑にとどまるのか、本格的な成長フェーズにつながるのかが、投資判断のカギを握ることになります。
👉 特に「政府系プロジェクトへの採用」が、市場心理を大きく変える転機となりました。
今後は、この“再評価”が一時的な熱狂で終わるのか、本格的な成長フェーズに入るのかが注目ポイントとなります。
④ 株価変動の要因(ファンダメンタル)
▶ 業績・技術・提携動向(ファンダメンタル)
- 売上は少額ながら継続成長(2023年は通期で約10Mドル)
- 営業損失は継続するも、2023年Q3では赤字幅縮小を確認
- 量子プロセッサの開発進捗も継続中(Aspen-Mシリーズ等)
- 提携先:DARPA、NASAなどの米政府系プロジェクト中心
▶ 基本的な株価指標(2025年3月24日時点)
指標 | 数値 | 解説 |
---|---|---|
時価総額 | 約27.3億ドル | 小型成長株の部類 |
PER(実績) | — | ※赤字のため非表示 |
PBR(実績) | 約21.26倍 | ※将来期待を織り込んだ水準 |
EPS(1株利益) | -1.09 | ※赤字継続中 |
BPS(1株純資産) | 0.45 | 純資産は小さめ |
発行済株式数 | 約2.86億株 | 株式希薄化の影響も確認が必要 |
📌補足解説:
- PERが算出できないのは「継続的な赤字企業」の証拠。成長期待はあるが、実態的な利益創出力はこれから。
- PBRが20倍超というのは、「期待先行型」であることを示しており、株価には将来への期待がかなり織り込まれている状態。
▶ 主なニュース・イベント時系列
日付 | 出来事 | 株価インパクト |
---|---|---|
2022年3月 | SPAC上場 | 初値は好調も、その後調整へ |
2023年11月 | Q3決算発表 | 赤字縮小によりわずかに反発 |
2024年4月 | NASAとの契約延長発表 | 成長期待から株価上昇 |
2024年11月 | DARPAフェーズ2進出を発表 | 3ドル台→5ドル台へと急騰 |
同社の量子プロセッサ(Aspenシリーズ)や、QPU内部の構成、クラウド連携の仕組みについては、以下の記事でより詳しく解説しています:
🌐 量子コンピュータの衝撃:Rigettiの技術力
▶ 株価への影響
特に2024年11月のDARPA関連発表は「Rigettiの技術が国家プロジェクトレベルに到達した」としてポジティブサプライズに。
ただし、売上貢献などの定量的裏付けは未確定であり、株価の上昇が続くかは慎重な判断が求められます。
⑤ IonQとの比較:技術と成長性の違い
量子コンピュータ銘柄として注目されるRigetti(RGTI)ですが、他の上場企業であるIonQ(IONQ)やD-Wave(QBTS)と比べて、どのようなポジションにあるのでしょうか?
以下のチャートは、2024年3月に $6,700(約100万円)を各銘柄に投資した場合のシミュレーションです。
下段グラフは、同額を3銘柄に投資したときの資産推移を示しており、価格そのものではなく、投資リターンの比較として視覚的に活用できます。
📊 株価比較チャート(2024–2025)
- 上段:各銘柄の株価推移(実際の価格)
- 下段:Initial investment value in USD (simulated from $6,700)

▶ 投資結果から見えるポイント
- RGTIは最も爆発的なリターンを記録:ピーク時には約7倍に相当($6,700 → $47,000超)。低価格からの反発と材料報道が大きなドライバーとなった。
- IONQは安定的な成長株:全体として堅調な上昇を見せたが、RGTIほどの急騰は見られず。商用化実績やパートナー企業との連携が支えとなっている。
- QBTSは控えめな成長:直近の材料でやや上昇したものの、全体的には価格変動が小さく、ボラティリティも低め。ポートフォリオのリスク分散としては面白い存在。
✅ 比較表(企業概要と特徴)
指標 | RGTI | IONQ | QBTS |
---|---|---|---|
技術方式 | 超電導量子ビット | トラップイオン | 量子アニーリング |
本社所在地 | 米国(バークレー) | 米国 | カナダ |
株価ボラティリティ | 高 | 中 | 低 |
政府との関係 | DARPA・NASA | Amazon・DoD(米国国防総省) | 非公開プロジェクト多い |
成長性 | 急騰型 | 安定型 | 地味型 |
投資家向け印象 | ハイリスク・ハイリターン | 長期成長期待 | 技術志向向け |
💡 投資家視点でのまとめ
RGTIは、短期での急騰リターンが期待できる“テーマ株”の側面が強い一方で、利益面での裏付けはまだ弱く、値動きが荒い点は注意が必要です。
一方、IONQやQBTSは、それぞれ異なる方向性での安定性があり、中長期投資の軸としても比較検討可能です。
⑥ 投資対象としての評価(将来性とリスク)
- 将来性:量子クラウド市場の拡大とともに、民間・政府両面での需要増が期待される
- 強み:DARPAなど公的機関との提携実績、独自開発のハードウェア
- リスク:赤字継続、技術革新のスピード、競合の台頭(Google, IBMなど)
⑦ まとめ:Rigettiに投資するなら、今後の注目ポイントは?
- 直近の決算発表や受注ニュースに注目
- 量子クラウドの商用化進展状況
- 国防関連での採用が広がるかどうか
出遅れ銘柄=将来の成長余地が大きいと捉える投資家にとって、Rigettiは今後の展開次第で面白い存在になりそうです。
📌 本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
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